日本人は英語が苦手というのをインターネットでよく見かけます。
以前の記事「英語の習得にはどれくらい学習時間が必要か?」にあるように、言語の性質が英語とかなり異なるので習得には時間がかかるという研究結果はありますが、実際のところどうなのでしょうか。
早速ですが、各機関から世界各国の統計データが出ていますので、調べてみました。
「TOEIC」- かなり悪い
TOEIC Report on Test-Takers Worldwide (2005) より筆者が作成
TOEICはとにかく日本人の受験者数が圧倒的に多い検定です。
新しいデータがないので、2005年と結構前のデータになってしまったのですが、このデータによると、日本人の受験者数だけで全体の65%、韓国の受験者数で12%を占めます。
つまり、サンプル数にかなり偏りがあるので結果の信頼性はあくまでも参考程度に。
ただ、今回はアジアでの比較をしてるためここには載せていませんが、フランスは10万人以上受験して平均スコアが692点です。
人口比の受験数が日本の方がまだ多いとはいえ、230点以上フランスの方が高いのは差が大きい気はしますね...
「TOEFL」- 悪い
Test and Score Data Summary for TOEFL iBT Tests and TOEFL PBT Tests より筆者が作成
続きまして海外留学時に必要となることが多い、TOEFLです。2011年のデータになります。受験者数はこちらのサイトにあるように、TOEFLは人口比の受験数はTOEICほど多くなく、韓国、台湾、香港の方が多くなっています。
順位の方は、アジア内で日本は下から3位と、良くない結果ですね。辛うじてラオスとカンボジアには勝っている程度です。
「iELTS」- 悪い
IELTS | Researchers - Test taker performance 2011 より筆者が作成
こちらは2011年のiELTSの結果です。ちなみにiELTSは世界中で170万人以上に受験されている、TOEFLよりもメジャーな試験です。
留学や移住する際に求められることが多いですね。各国の受験者数詳細は発表されていないのですが、2011年の日本人受験者数は1.6万人程らしいので、TOEICに比べてかなり人口比の受験数は少なくなっています。
そして順位の方は、アジア内で下から3番目と良い結果ではありません。
「EFの英語能力指数」 - 普通
英語能力指数 (EF EPI) より引用(赤枠は筆者が追加)
こちらはEFという教育機関による2012年の調査結果です。こちらの結果ではアジア内で6位と日本人の英語力は標準的ということになっています。
元イギリスの植民地で英語が公用語となっている香港よりも順位が高いのは少し違和感を感じますが、サンプリング次第ではこういう結果になるということでしょうか。
ちなみに、こちらのページには日本について詳しい解説があるので、興味ある方はぜひ読んでみてください。
まとめ
検定や調査機関によって多少異なる結果となりましたが、日本人の英語力は低い〜標準的という結果でした。
各国の受験者数の違いによる偏りはあるでしょう。普通に考えて、人口に対して受験者数が多い国は平均スコアが低くなる傾向はあるかと思います。TOEICについてはその傾向がかなりあると思います。
ただ、TOEFLとiELTSはTOEICとは違い、世界的に幅広く利用されている検定です。それらにおいて低く出ているということは.... 概ね、日本人の平均スコアは低いと言えるでしょう。
また、今回の記事はデータの結果を確認するために書いたものです。個人にとっては国の平均は関係ないですし、検定はあくまでも自分の到達点を測るだけのもの。上手に利用して上達していきたいですね。
今回引用した各種検定については、こちらの記事「実はたくさん!日本で受験可能な英語の資格・検定試験まとめ」で紹介していますので、興味ある方はご覧下さい。