このエントリーをはてなブックマークに追加

カランメソッドは1960年代にイギリスの大手私立語学学校により開発された学習法です。ナチュラルスピードの英語を大量に聞く/話すをベースにしています。

基本的な進め方としては、講師が英語で2回質問を繰り返し、生徒がすぐに答える、という質問 => 回答の繰り返しを何度も行います。とにかくテンポが速く、講師はcommanding(指示的)で緊張感のあるレッスン形式のため軍隊式とも言われています。

実際の雰囲気は動画を見た方が良いと思いますので、カランの動画を貼っておきます。

目次 [非表示]

カランメソッドの特徴

テンポがとにかく速い

ネイティブが1分間に通常150〜180単語程度を話すのに対し、カランメソッドの講師は1分間に200〜250単語を話します。ナチュラルスピードよりも少し速いわけですね。

ぼんやりしてると聞き逃してしまいますし、質問に対してもすぐに答えないといけませんから、いやでも集中力が高まります。

ナチュラルスピードのやりとりを続けていると、リスニングは速いペースに慣れ、スピーキングはそのまま英語が出てくるようになります。

しかし講師側にとっては、話す分量が多いですし生徒の英語もしっかり聞き取り訂正しないといけませんので結構負担が大きいメソッドだと思います。

フルセンテンスで答える

カランではほとんどの場合フルセンテンスで答えることになっています。

例えば、

Are they sitting?

に対しては、

No, they aren't sitting; They are standing.

のように回答します。レッスンではこのように回答しますが普通の会話ではこのように言いませんよね。これは自然な英語というよりは、文章を組み立てる力(文法力)を鍛えるためにあえてフルセンテンスで話すようにしているのだと思います。

省略形で答える

また、カランではできるだけ短縮形(contraction)で話すことになっています。

例えば、

What colour's this pencil? (What colour is this pencil? を短縮)

に対し、

This pencil's black. (This pencil is black. を短縮)

のように回答します。

短縮形はやや聞き取り辛いですが、日常会話ではよく使われますので、リスニング力向上にはこちらに慣れた方が良いということでしょう。

ミスはその場で訂正される

正しくない英文はすぐに訂正されます。簡単な間違いであっても講師が間違った箇所を含めて言い直すので、同じく正確に言い直す必要があります。どう答えたらいいのか分からない場合でも講師が何度も該当箇所を言い直してくれますので真似すればなんとか答えることができると思います。

カランメソッドの良い点

圧倒的に話す量が多い

カランメソッドはフリーカンバセーションや通常のテキストを使ったレッスンよりもかなり話す量が多くなります。あー、うー、みたいな言葉につまる時間はありませんし、講師が話してばかりということもありません。言語を話せるようになるには話す練習をたくさんする必要がありますから、これは良いことだと思います。

講師による教え方の違いが小さい

カランメソッドはレッスンの進め方がガッチリ決まっているため、講師毎の違いが小さいといえます。そのため毎回同じ講師でなくとも引き継ぎさえしっかりしていれば問題なくレッスンを続けることができます。

ただし受講してみると分かりますが、講師の負荷はなかなか大きいメソッドです。カランの訓練を十分に受けていない、または経験の浅い講師だと進行が遅かったりしますので注意しましょう。

例えば、QQイングリッシュでは講師の検索時に「カランメソッドが得意」と指定できますので、このようにカランの経験が十分にある講師から選ぶようにするといいと思います。

ナチュラルスピードに慣れる

カランは講師の話すスピードが速いので、速いペースに自然と慣れることができます。初級者だろうと上級者だろうと最初から話すスピードは変わりません。まさにスパルタですね。

英会話教室は講師がゆっくり話すのがデフォルトになっていることがよくあります。聞き取りやすくはあるのですが全然リスニングの練習にならないんですよね。

日本語で考えずに英語でそのまま答える習慣が身につく

レッスン中はどんどん答える必要があるので日本語で考えていては間に合いませんから、自然と英語でそのまま答えることが出来るようになります。質問 => 答えを繰り返すということは、この質問に対しては、こういう英語で答える、というある種のパターンプラクティスです。ですので英語で考えられるようになる、というよりは英語の質問に対して英語が自然に出てくるようになる、という方が正しいと思います。

瞬間英作文と相性が良い

カランメソッドは瞬間英作文とかなり相性が良いと思います。瞬間英作文は文法を身につけるのに有効な方法で、スピーキングにもある程度効果があるのですが、話す際に日本語から入ってしまってしまう癖がつくという問題があります。

カランメソッドは日本語を使わずにレッスンをしますから、瞬間英作文で文法をしっかり身につけた上で練習すれば、スピーキングに効果的だと思います。

別の言い方をすると、文法が身についていない状態でカランメソッドをやるよりは、瞬間英作文をある程度やってからの方が上達が早いと思います。中学英文法レベルの翻訳は一瞬で出来るようなっていた方がよいと思います。

カランメソッドの注意点

慣れるまで少し戸惑う

カランメソッドは、通常のテキストを使ったレッスンとは進め方がかなり異なりますし、上に書いたように常にフルセンテンス、省略形で話すなどカランメソッドならではのルールがあるので最初は戸惑います。またカランでは答えは原則として一つなので複数の言い方がある場合でもテキスト通りでない言い方をすると訂正されることがあります。

例えば、 What are these? って聞かれて、They are books. って答えると正解は These are books. だったりします。コンテクストに応じてどちらがベターかというのはあるにせよ、大抵はTheyを使うでしょう。ただ文法的にはTheseを習う場面なのでこちらが正解ということです。こういう時に訂正されると若干モヤっとします。

この辺りは2〜3レッスン受講すればだいたい要領がつかめると思いますが、ある程度英語が出来る人ほど慣れるまでは若干ストレスを感じるかもしれません。

まったくの初心者には難しい

カランは初心者からOKと書かれていますし学習する内容自体は It's a pen. レベルからなのですが、講師は容赦なくナチュラルスピードで話してきますし、文法も英語で説明されます。発音もおかしければ訂正されますが、そもそも正しい発音の仕方を知らなければ英語で説明を受けてもなかなかすぐには直せないでしょう。

英語を話す上では文法、語彙、発音が必要です。カランでもそれらを学ぶことはできますが、事前に中学レベルの文法・語彙と発音の基礎は学んでおきたいところです。TOEICだと600点以上でしょうか。そうしないと分からないことが多すぎてレッスン中に混乱すると思います。

そこそこレッスン単価が高い

カランメソッドはライセンス制なので、教室側はライセンス料を支払う必要があるはずです。そしてカラン用に講師のトレーニングも行う必要があります。そのためカランメソッドを提供しているスクールとそれ以外のスクールでは、前者の方がレッスン単価が高い傾向があります。

また、生徒側としてもテキストは購入する必要があります。テキストは一冊1,800円程度ではありますが、Stage1からStage12まであるので、最高で12冊購入することになります。

話す呼吸が違う人間同士だと結構疲れる

日本語で話す場合もそうだと思いますが、話すテンポは人によって異なります。早口で話す人もいれば、ゆっくり話す人もいます。私は日本語でも早く話す方ではないので、かなり早口の講師からすると私が答えられないと感じるのか、私が喋ってる間に言葉を重ねてくることがあります。

そういう場合、私は無理して早く話さないといけないので疲れます。カランは講師による違いが少ないとはいえ、ある程度は自分と呼吸が合う講師を選ぶのが大事だと思います。

まとめ

時々、カランメソッドは「驚異のメソッド」などと紹介されていたりします。私としてはそんなに大げさなものではないと思いますが、しっかり取り組めば効果のある学習法だと思います。速い英語を大量に聞いて大量に話すのでリスニングとスピーキングに効果があります。あと瞬間英作文と相性が良いのがいいですね。

ただし、上にも書いた通り全くの初心者にはおすすめしません。文法や語彙がある程度以上あり(TOEICスコア 600以上)、発音の基礎は理解していた方がよいと思います。

また、カランメソッドだけで文法、語彙、発音をカバーしようとするのは効率が悪いと思います。特にTOEICには効果がないとは思いませんが、カランよりは文法、語彙の問題集に時間を割いた方が効率は良いと思います。

語学学習にこれだけやっていればOK、といった万能薬のようなものはありません。カランメソッドもその辺りを理解して活用すれば、良い方法だと思います。

このエントリーをはてなブックマークに追加
follow us in feedly

いわきんぐ(iwaking)

当サイト管理人。フィリピン、オーストラリア留学を経て、TOEICスコア880。現在はTOEIC900over&英検1級目指して学習中。 twitter: @iwaking  Google+
他にもこんな記事を書いています

最新記事の購読はRSSとTwitterが便利です

更新情報はRSSとTwitterでお届けしています。英語学習者にとって役立つ情報を発信していますのでフォロー頂けると幸いです。

rss  RSSの購読はこちら        follow us in feedly
comments powered by Disqus
ダウンロードするには、口コミの投稿が必要です