私は、日本人は、①かなり英語が出来る層、②ソコソコ英語が使える層、③中1英語も分からない層、の3段階くらいににレイヤー化して分かれると考えています。

英語を勉強している人は、本当に増えた

私は京都駅近くで、自習スペース、貸し会議室を経営しています。自習室は時間貸しなので、多くの仕事帰りのサラリーマン、学生の方々にご利用いただいています。

利用者様の多くは、『英語』の自習をしています。TOEIC対策とか、そんな感じの勉強です。

もちろん、士業資格試験、PCでの仕事をされる方も沢山いますが、それ含めトータルで見ても4割~5割が英語学習者という印象です。

毎日、受付から、英語参考書を開いている姿を眺めていると『受験勉強以外で、今より多くの日本人が英語学習をしていた時代はあっただろうか?』と思わずにはいられません。

就活、昇進、旅行、ネット副業、SNSでの外国人との交流・・・etc

英語を使う場面が増えたのは勿論のこと、英語力自体が評価される場面が、飛躍的に増えたのが英語を学ぶ人が増えた理由でしょう。

平均的な英語力は上がっているが・・・

先日、大学生達を連れて、京都の外国人が多いカフェに行きました。そこで学生達は、完璧では無いまでも、上手く英語を使い外国人旅行客と話していました。

たぶん、この大学生達のような、英語を勉強していて、ある程度は会話出来て、個人輸入ビジネスのメール程度が英文で出来る人達。そのような『ソコソコ英語が使える』、という人達は増えていると感じます。

また、それとは別に中高時代から留学、また両親の駐在などに付き添い、海外で暮らしていた層や、元から語学習得のポテンシャルがケタ違いに高い人⇒『かなり英語が出来る層』も居るでしょう。

この10年で、なんだかんだ言って日本人の英語力は上がったのではないでしょうか?(世界レベルでみると、まだまだかもしれませんが)

しかし、全ての人の英語力が上がったわけではありません。その反面、中学1年生レベルの英語も忘れている層も沢山います。

先週、地元の小学校時代の同級生達と会ったのですが、『英語なんて、サッパリ忘れた』と話していました。もちろん英語学習に興味が無い人達です。英語を完全忘却していても、全く気にしていません。

英語の階層化から、見えてくる未来

『英語が出来たら偉い』という分けではないし、必ずしも『英語が出来ないと、生き残れない』という分けではないです。

ただ、英語力というよりは、英語に対する『学習意欲』 『危機感』 『学ぶ環境』などが、極端に分かれていると思うのです。

この英語を元にした、レイヤー・地層模様は、社会の何の分断を示すのか。非常に興味を深いです。

何故なら、このような極端なレイヤーは、英語だけではなく、日本あらゆる分野、集団に広がりつつあると感じているからです。

先日、ある作家からこんな話を聞きました。『本屋に、行ったことが、ほとんど無い人もいるんですよ』と。凄く極端で、象徴的な話だなぁと、私は思うのです。

日本はこれから、所得、教養、情報、様々な部分で、住み分けるような階層化が起きるのではないかと考えています。

『そんなの前からだよ』という意見もあると思うのですが、それがより一層、目に見える形で『顕在化』してくると考えています。

英語レベルの格差は、その流れとパラレルではないかと、私は思うのです。もちろん、英語が出来る = 『お金持ち、教養がある人』 という分けでは必ずしもないですが。