大阪にある「UKPLUS Osaka(以下、UKPLUS)」で体験レッスンを受けてきました。
公式サイトには「資格保有のイギリス人講師」「IELTS・ケンブリッジ英検対策あり」と書かれています。
気軽に会話を楽しむカフェスタイルのスクールが増えるなか、UKPLUSからは少し真面目な雰囲気が感じられます。どのような層の生徒さんが、どんな目的で通っているのでしょうか。
今回の体験レッスンで見つけた答えは「明確な目標を持つ中~上級者で、英語学習に真剣に取り組んでいる方」が多いということ。このような生徒さんを惹きつける理由は、UKPLUS独自の教え方やシステムにありました。
- 進学や留学、移住などに役立つ資格試験の対策に強い
- 資格保有の講師による、発話機会が多い参加型レッスン
- 1レッスン3時間、曜日固定制。宿題の量も約3時間分
あらゆる角度から力を測定するレベルチェック、ハイレベルな生徒さんとの体験レッスン、聞き慣れないイギリス英語…。個人的にも、とても勉強になりました。
UKPLUSの特徴は?
ロンドンに本社を置き、世界100か国以上に拠点を持つ「ブリティッシュ・カウンシル」をご存知でしょうか。2010年、ブリティッシュ・カウンセル大阪センターの閉校に伴い、そこに勤務していた講師がオープンさせたのがUKPLUSです。
IELTSやケンブリッジ英検の対策に強い
7段階と細かくレベル分けされる1番人気の「General Englishコース」のほか、ビジネス英語コース、アカデミック英語コースなど目的別コースを開講。キッズコースやプライベートレッスンもあります。
そしてUKPLUSの大きな特徴が「資格試験対策コース」です。
IELTS:世界的に知名度が高い試験。特にイギリスへの進学や移住に必須。UKPLUSでは90%以上の生徒さんが目標スコア達成。グループ・プライベートから選択可。
ケンブリッジ英検:日本でも教育改革により知名度が上がっている試験。試験センターとして認定されておりかつメインスイート試験準備コースがあるのは西日本でUKPLUSだけ。スコアアップにGeneral Englishコースもおすすめ。
※メインスイート:KET, PET, First (FCE), CAE及びCPE などの5試験のこと。
OET:英語圏で医療に携わりたい方のための試験。UKPLUSは日本で唯一の試験センター。オーストラリアやニュージーランドで広く認知。プライベートレッスンで対応。
TOEFL:アカデミックな問題が多い試験。北米への進学に求められることが多い。プライベートレッスンで対応。
IELTSやTOEFLの対策を行うスクールは比較的多い印象ですが、ケンブリッジ英検やOETに強いスクールというのはほとんど聞いたことがありません。
そのような理由もあり、UKPLUSには北陸・東海・中国地方などから通う生徒さんもいらっしゃるそうです。
講師は全員イギリス人、英語教授法の資格を保有
UKPLUSの講師は全員イギリス出身のネイティブ。ケンブリッジ大学認定のCELTAや、同じくケンブリッジ大学認定で修士号と同等の資格として認められるDELTAを取得している方たちです。
UKPLUSでは学んだことを明確にし、復習を通して定着させるために、テキストは必ず使います。しかし「このクラスはこのテキスト」というルールはありません。生徒さんのレベルに応じて、担当講師がテキストや課題を決定します。
長年の指導経験、そして英語教授法に対する幅広い知識を活かし、各生徒さんに最適な英語学習を提供しています。
1回3時間の曜日固定制レッスン。宿題も約3時間分
UKPLUSのグループレッスンは曜日固定制、1レッスンはなんと3時間です。振替も可能ではありますが、自由予約制に比べると、他の予定を調整する必要が出てくるかもしれません。
しかし逆に言えば、英語学習の優先順位を高く設定し、腰を据えて学べる環境があるということです。
また復習を大切にしており、宿題も出すとのこと。内容についてはこちらも担当講師が決定しますが、テキスト付属のワークブック、レッスンで行ったディスカッションについての英作文などがあります。目安として3時間ほどかかる分量だそうです。
明確な目標を持つ生徒さんが多いUKPLUS。もっと勉強したい生徒さんには、追加で課題を出すこともあるそうです。
UKPLUSに行ってきました
UKPLUSの校舎はJR大阪駅や阪急梅田駅から徒歩3~5分。ヨドバシカメラを超えたあたりにありました。
こちらの建物の2Fです。
校舎の入口には、資格試験の案内が並べてありました。
壁には発音記号が大きく貼られています。
レベルチェック開始
UKPLUSではレベルチェックを入念に行います。
- 語彙・文法(20分):全40問
- ライティング(15分):テーマに沿った英作文
- スピーキング(10~15分):講師と1対1で会話
(※)IELTS対策希望の方は、ライティングが長くなります。
講師とのフリートークのみでレベルを決定するスクールが多いなか、UKPLUSではこのように色々な角度から英語力を測定。
スタッフの泉川さんに案内していただき、さっそく個室に入って語彙・文法問題を計40問解きました。
ライティングは2つのテーマから1つを選び、質問に沿って英作文を行う形式でした。
講師と1対1のスピーキングテスト
担当はトニー・W先生。まずは先ほど行ったライティングの内容について質問されるので、答えていきます。そしてスピーキングテスト開始です。
先生:Are you from Osaka?
私:No, I'm from Fukuoka. Have you ever been there?
先生:No, I haven’t. Please tell me about it. Is Fukuoka a city or a prefecture?
私:Both. It's the 6th largest city in Japan.
外国人観光客が増えていることや、九州観光のハブになっていることを伝えます。
先生:Do you travel a lot in Japan?
私:I visit foreign countries more often, mainly Asian countries.
先生:Is it for business or pleasure?
私:It's for pleasure.
このあとも、
- 週末は何をしていることが多いか
- 10年後の自分について
などの質問に答え、私からもトニー・W先生が住んでいた国や経歴などについて質問しました。内容はさほど難しくなかったのですが、イギリス英語に慣れていない私は聞き取りに苦労する場面も。
アメリカ英語とイギリス英語には違いがたくさんあるとは知っていたものの、もっと色々な国の英語に触れなくてはと感じたスピーキングテストでした。
フィードバック&カウンセリング
泉川さんによるカウンセリングです。文法・語彙テストは38/40問正解でかなりよい結果。ライティングはもう少し分量が欲しかったけれど、内容や語彙のチョイスは正確とのことでした。
スピーキングやリスニングについては「質問を正確に理解し、瞬時に答えられていた。流暢さやリズムは改善できる」とのフィードバックをいただきました。
レベルは「Low-Advanced」とのこと。7レベル中、上から2番目です。
各レベルのクラスが週に何度か開講されているため、生徒さんのスケジュールを確認したうえで最適なクラスを伝えているそうです。
そして料金プランについて。グループレッスンの場合、初回は12週間~の登録です。
コース | レッスン回数 | 料金 | 1時間単価 |
---|---|---|---|
General English | 3時間x12回 |
105,270円 |
2,925円 |
IELTS | 3時間x12回 |
118,800円 |
3,300円 |
※料金は税込です。
最初の12週間が過ぎると、4週間分~の支払いが可能。一度に多く支払うと単価が下がるシステムです。
各種資格試験の特徴や傾向にも詳しい泉川さん。「入会後も、スタッフによる学習アドバイスや定期カウンセリングには力を入れています」と話されていました。
入念なレベルチェックと丁寧なフィードバック。最適なコースを提案してもらえるだけでなく、私自身も自分の英語力を客観的に見ることで、これから伸ばしていくべき分野を具体的に知ることができました。
Low-Advancedクラスを体験
General Englishのレッスンを約90分間、体験させていただきました。レベルチェックの結果と同じLow-Advancedクラスです。1クラスは最大10名ですが、平均は5~6名だそうです。
まず私が参加しているため自己紹介から。担当のマーク先生は日本滞在歴19年、もちろんイギリス出身です。
生徒さんは大学生や医療関係者など、年齢も職業もさまざまです。しかし共通しているのは、みなさん目標が明確なこと。英語を使ったキャリアを目指す方々なので、私も気が引き締まります。
そしてレッスンスタートです。まずは先週の復習から。マーク先生が「地名」や「交通機関」に関連した単語を10コ、ホワイトボードに書かれます。
Tokyo / Kyoto / Bullet trains / Local trains / etc.
先生:Compare these 10 words using the phrases we learned last week.
先週のテーマは比較級だったようですが、単純な比較ではありません。例えば「Hokkaido is way bigger than Tokyo.」など「どの程度違うか」を表す副詞を入れます。
「way bigger のほかの言い方は?」とマーク先生。生徒さんが「considerably bigger」と答えます。「どっちがよりフォーマル?」と先生。way biggerよりもconsiderably biggerのほうがフォーマルだそうです。
そのあとは全員でアイディアを出し合い、先週学んだフレーズを使って文章を作っていきます。
- Kobe is just as attractive as Kyoto.(神戸は京都に負けず劣らず魅力的だ)
- Local trains are nowhere near as fast as bullet trains.(普通列車は新幹線のスピードには到底及ばない)
さすが上級クラス。みなさん長めの文章を正確に組み立てます。「Bullet trains are way costlier than local trains.」と発言した生徒さん。
先生:正確な文章だけど、”way”は口語で、”costly”はあらたまった言い方。だからこの2つの単語が同じ文章にあるのは、少し違和感がある。”costly”と同じ意味で、よりくだけた単語を知っている人?
答えは「pricy」で「way pricier」がより適切だそうです。値段が高い=expensiveと言いがちですが、色々な表現がありますね。
上級者になると「知っている単語は多いけれど、話すと同じ表現ばかり使ってしまう」という悩みが出てくると思います。マーク先生は類語とそのフォーマル度まで教えてくださるので、とてもためになります。
またこれらの文章では「way」など強調の副詞にストレスを置いて読むとのこと。発音やリズムも練習できるので実践的です。
そして今日の内容です。テーマは「Ambition」。ここでも類語として「Desire」「Aspiration」を習います。
先生:What were your ambitions when you were younger? And what are your ambitions now?
向かい側の生徒さん同士が、ペアで話し合います。
話し合ったことをクラスでシェアしたところで、こちら8つのイラストについて今度は別の生徒さんとペアになって会話。
そして文章を隠した状態で、聞き取り練習。先生のイギリス英語にまたまた苦戦しましたが、新しい単語をいくつか知ることができました。
常に生徒さんに意見を聞き、ペアワークやグループワークを積極的に取り入れるマーク先生。発話機会が多い参加型のレッスンでした。
また「同じ文章内では、同じフォーマル度の単語を使う」など、普通なら見逃してしまいそうなことも知ることができました。このようなアドバイスをされたのも、おそらくこのクラスが「相応しい表現を使う」ことを目指す上級レベルだから。
「レッスンの進め方は、講師の裁量に任せている部分があります。資格を持つスキルの高い講師だから可能なんです」という泉川さんの言葉を思い出しました。
代表のトニー・B先生にインタビュー
そして設立者である代表のトニー・B先生にインタビューをさせていただきました。
ーー ここまで色々な試験に対応しているスクールは珍しいと思います。
トニー・B先生:2020年の教育改革を控え、IELTSやケンブリッジ英検の対策を希望する中高生からの問い合わせが増えています。
IELTS対策を行うスクールは結構ありますが、ケンブリッジ英検は確かに少ないですね。まだ日本での知名度が高くないですからね。ケンブリッジ英検はとてもバランスがよい、よくできた試験だと思います。
当校はケンブリッジ英検の試験センターであり、かつ大人対象のメインスイート準備コースを用意している、西日本で唯一のスクールなんです。
ーー 西日本でここだけとはすごいですね。確かに入試にも資格試験がどんどん導入されていますので、これからさらに需要が高まりそうですね。
ーー 資格試験に強いUKPLUSさんですが、一番の強みはなんだとお考えですか。
トニー・B先生:各クラスの生徒さんに合わせて、テキスト・カリキュラム・レッスンのペースなどを決定しているところです。担当講師が、生徒さんに最適だと思うレッスン内容にカスタマイズしているんです。
ーー なるほど。1レッスンが3時間と長いのも特徴だと思います。なぜ3時間なのでしょうか。
トニー・B先生:単純に聞く・話す量が多くなるからです。通学は週1回が限度という方が多いので、それなら1回でたくさん学んだほうがよいと考えています。
3時間といっても休憩は入れますし、あらゆる要素をコマ切れに盛り込んだレッスンなので、長く感じないとおっしゃる生徒さんが多いです。スキルが高い講師は、どうしたらレッスンが楽しくなるか知っています。楽しいと感じるレッスンは、あっという間ですよ。
ーー UKPLUSでは、レベルチェックを入念に行っていると感じました。
トニー・B先生:そうですね。四技能・語彙・発音・文法など、様々な角度から自身の力を知ってほしいと考えています。16週間に1回は、講師が1対1でカウンセリングを行います。
各生徒さんにカードを用意しており、毎レッスン後に講師がメッセージを書きます。レッスンに出席してスタンプを集めれば割引があるなど、モチベーションを上げる工夫もあるんですよ。
ーー 自分の力を客観的に知る機会は大切ですね。最後に英語ひろばの読者さんにメッセージをいただけますか。
トニー・B先生:外国語を学べば、あなたの人生はよりよいものになります。UKPLUSは夢を応援する場所であり、私たちはこの仕事にやりがいを感じています。あなたの目標を確実に達成するための道を示しますよ。
また講師は全員資格を持っており、とてもフレンドリーです。一人ひとりのニーズに応えますので、ぜひレベルチェック&カウンセリングにお越しください。
体験レッスンをおえて
知名度の高いIELTSやTOEFLのほか、近年需要が増えているケンブリッジ英検、医療関係者のためのOETなど、あらゆる資格試験に強いUKPLUS。
今回はGeneral Englsihコースを体験しましたが、発話機会が多いだけでなく、より適切な単語のチョイスや抑揚についても教えていただいたりと、とても勉強になったレッスンでした。
指導経験が豊富で教授資格を持つイギリス人講師。明確な目標に向かって真剣に取り組む生徒さん。レッスンは1回3時間、宿題も1週間で約3時間分。英語に触れる絶対量が確保でき、お互いによい刺激を受けながら上達できるスクールだと感じました。
英会話カフェのような気軽さはないかもしれません。でも目標を達成するために、英語学習の優先順位を高く設定したい方にとっては、きっと満足できるスクールだと思います。