ユニクロ

グローバルで活躍する人材を育てようと、社内公用語を英語化したり、英語に力を入れる企業が増えています。楽天やユニクロ、ソフトバンク、サイバーエージェントなどがその一例でしょう。みんなの英語ひろばでは、そんな企業を追った「英語公用語化する企業の今」を不定期で連載します。第3回目は、TOEICで900点以上を獲得した社員へ、報奨金を支給する制度を始めると発表したユニクロ。

TOEIC700点以上が必須に

今から3年前の2010年、社内公用語英語化を公式に発表したのは、ユニクロやジーユーを傘下におくファーストリテイリング社(以下、ユニクロと表記)。当時は同社が海外展開を加速させていた時期で、グローバル化への対応がマストだとの判断の結果でした。柳井正会長はマスコミの取材に対し「日本の会社が世界企業として生き残るため」と語っていました。

そして2012年3月から、社内公用語英語化を正式に実施することを目標に、それまでに「海外で勤務できる最低限の水準として、本社社員と店長の約3,000人はTOEIC700点以上を義務付ける」「日本人以外にも、中国人など非英語圏の幹部や店長には研修を受けさせる」といった方針が掲げられたのでした。

このほかにも「日本のオフィスも含めて、幹部による会議や文書は基本的に英語とする」といったルールが設けられたり、週10時間と定められたEラーニングやTOEIC受験は「業務」のひとつとされ、参加しない社員に対しては受験料の返却を求めるなど、徹底した英語化が進められてきました。

勉強時間を確保させる

2011年9月には、山口市と本部・東京の社員を対象に、始業時間を朝9時から2時間早めて、7時からにする動きも見られました。狙いは終業時間を16時にして仕事を早めに切り上げ、生まれた時間に英語を中心としたビジネスに役立つ勉強をさせるというもの。

2012年までの「2年間の移行期間」の間に、社員にはコミュニケーションを図れるだけの英語力を身につけることが課せられ、その勉強時間を会社から与えられていたのです。また、Eラーニングで一定の成績をあげれば、授業料を全額補助する制度も用意するなど、英語学習のモチベーションを上げる施策も用意されていました。

これらの結果、目標とするTOEIC750点以上(2012年から750点に)に到達した人は、2012年6月時点では、対象者全体の4分の1へと上昇。着実に成果を出している人もいますが、楽天やソフトバンクと比べると、あまり目立った結果ではないように見えます。

給料からEラーニング授業料の天引きも

残業が多いことでも有名なユニクロ。「毎日1時間半も勉強時間を確保できない」といった声も少なくありません。しかし、容赦ない対応がなされ始めます。週10時間のEラーニングをきちんとこなさないと、給料から授業料を天引きされるようになったのです。

「半年ごとにあるテストで50点上げないと、さらに半額が給料から天引きされます」といった、驚くべき現実もあるのだそう。かなり厳しい目標を課せられていることは確かです。

これにモチベーションをダウンさせ、疲弊している社員も多いようです。本当に英語を身につけさせたいなら、同時期に英語化をスタートした楽天のように、適切な学習環境を与えたり、苦手な人を集めた個別授業を行うことが必要なのかも知れません。

池田 園子

フリーランスの企画ライター。86年生まれ。楽天でポータルサイト運営、ITベンチャーでメディア運営を経て独立。現在は、R25、ITmedia、Impress、J-cast、ウレぴあ、など10媒体以上に執筆中。著書に『フリーランスで食っていきたい! 』がある。Twitter: @sonoko0511  Google+
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