アプリを活用した英語学習法

今回は、スマートフォンの無料アプリを活用した英語学習法について、ご紹介いたします。前半ではこの学習法の目的について、後半では実際にどんなアプリを使ってどのように学べるかについて、ご紹介いたします。

「英語の勉強」から脱却し、「英語を『道具』として使いこなす」段階へ

なお、ここで想定しているのは英語学習用のアプリではなく、英語ネイティブを主とする英語使用者向けの各種アプリですので、対象としては中級〜上級レベル(編集者追記:目安としてTOEIC700点台以上)の方になります。

そう聞くと、「自分には難しすぎるのではないか」と尻込みしてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、これまでの英語学習がなかなか続かなかったり、努力しているのに効果を実感できないといった方には、ぜひ挑戦してみていただきたいと思います。

というのも、この学習法は、単なる「英語の勉強」から脱却し、「英語を『道具』として使いこなす」段階への飛躍を目的としているからです。

英語学習自体の目的化が、挫折の大きな原因

残念ながら英語学習が挫折してしまう理由のひとつに、英語学習自体が目的化してしまっていることが挙げられると私は考えています。

本来、言語というのは意思伝達手段のひとつに過ぎないので、自分にとって必要なことを理解し、また伝えられるレベルにまで語学力を向上させることが、言語学習の目的となるはずです。

語学学習には、本来個人的な動機が必要

たとえば、私が以前通っていた韓国語の語学学校では、明確な目的をもって韓国語を学ぶクラスメートがほとんどでした。

たとえば、「大好きなKPOP歌手の歌の歌詞を理解し、韓国語で歌えるようになりたい」「韓国人の夫/妻と結婚してこの先もソウルに住む予定なので、必要に迫られて」といったものや、なかには「北朝鮮からの難民救済の仕事をしているので、彼らとコミュニケーションをとるため」などという理由も聞きました。

一方、英語の場合、そういった個人的な動機よりも、選択の余地なく強制的に学ばされたといったケースが多くの方にとってのスタート地点となっていると思います。

また、学校での英語教育は包括的な英語力を全般的に伸ばすというよりも、一定の目的(主には受験)に沿ってなされるものがほとんどでしょう。

個人的には、私自身が学校または進学塾で学んだ英語も、その後の英語力の向上には欠かせない下地となっているとは考えていますが、そういった英語との最初の接点によって英語に対して苦手意識を持ってしまったり、「英語の勉強はこういうものだ」という思い込んでしまった方も多いのではないかと思います。

「英語の勉強」から発想を切り替え、英語との接点を作り直す

スマートフォンを操作中

そこで、いわゆる「英語の勉強」から発想を切り替えて、日本語と同様の、数多ある言語のひとつとして、英語との接点を新たに作り直していく作業が必要です。

そのための方法のひとつとして、日常生活の中で無意識に行っている習慣の一部を、日本語から英語へと切り替えてみることがとても有効です。

通学・通勤電車の中、あるいは家事や育児の合間といったちょっとした時間に、フマートフォンを手にとることが習慣の一部となっている方がほとんどかと思います。

その際、いつも日本語で使っているアプリやチェックしているニュースや情報サイトの一部を英語媒体のものに換えてみることで、日常的にに英語と触れる時間を組み込むことが可能になります。最初は日本語媒体と比べて理解しにくく、時間もかかることでしょう。

ここでのポイントは、過去の記事「洋書の多読学習法のすすめ」でも述べましたが、わからない単語や表現が出ても気にせず読みすすめ、興味のある題材を選び、つまらないと思ったらどんどん次の題材にうつっていくことです。

これらのことは、実は日本語では意識せずに普通に行っていることだと思います。今、実際にスマートフォンでよく使っているアプリやサイトにたどり着いたときの経緯を思い出し、同じように、自分が気に入るものを見つけてみてください。

とはいえ、いくつか具体例があるとイメージがつきやすいと思いますので、次回はいくつかのアプリをとりあげて、実際にどのような使い方ができるかについて、ご紹介いたします。