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こんにちは、クボタカズミです。さて、今回は現代のベトナムで親が子供にどんな英語教育をさせているかを書こうと思います。

サイゴン(ホーチミン市)のタンソンニャット国際空港を出てタクシーで市の中心部に向かうと、大手英語学校のビルがあちらこちらに見えてきます。サイゴンに引っ越ししてきた時に、その中の一つの英語学校にかかっていた看板 ”YOUR ENGLISH, YOUR FUTURE” に度肝を抜かれました。「あなたの英語、あなたの未来」って、そこまで言うの?!と。

しかし生活に慣れて来るにつれてベトナムでの英語の重要度を理解し、そのキャッチコピーに深く共感するようになります。

私立学校はベトナム語・英語のバイリンガル教育

私が教育専攻の学生だった頃、静岡県の私立学校の加藤学園のイマージョンプログラム(英語を教えるのではなく、英語で一部の教科科目を教える。外国人向けのインターナショナルスクールとは少し違う)を知って、その先進性に驚きました。しかしベトナムに来てみると、なんとどこの私立学校でも既にイマージョンプログラムを行っていました。例えば、午前はベトナム語で授業、午後は英語で授業、のようにです。

ベトナムの人にとって公立でなく私立学校を選ぶということは、英語教育のためにお金を払っている、という意味も持つようです。このように二言語で教育をする私立学校は年々増えていて、私がサイゴンに来てからもピカピカの学校が建設されました。私の家の近所の小学生の女の子もこのような私立学校に通っていて、可愛い制服を着ています。またその子は私のことを「あの人は外国人だから、英語で話すのよ」と家族に言われているらしく、エレベーターで一緒になると英語で話しかけてくれます。

そして、そのような私立学校では生徒は皆イングリッシュネームを持っています。教室内ではMichael, Ashley などイングリッシュネームで呼び合うようです。入学して最初の時間に自分で好きな名前を付け、また思いつかない場合はネイティブの英語の先生が付けてくれるようです。ベトナムの名前は日本よりバリエーションが少なく同姓同名が多いことと、1音節の名前などは発音が難しいため、外国人にとってもこのベトナム人のイングリッシュネームは助かっています。

子供向け英語学校は大繁盛

私立学校に行くことの出来る恵まれた子供は一握りです。そのため、サイゴンで一般的な選択肢としては子供を公立学校に通わせ、放課後や週末には英語学校に行かせます。ベトナムでは小学校から必修科目として英語がありますが、公立学校の先生の給与は安く、もともと公立学校に対してあまり英語教育に期待をしていないようです。

ベトナムの大手英語学校であるILAやVUS等の学費はおよそ月8,000〜15,000円程度であり、ベトナムの平均収入に対して決して安くありません。それでも、ある程度の経済力のある家庭は、これらの英語学校で子供に週に2回2時間ずつのネイティブ講師のレッスンを受けさせて、英語環境を作ります。

どの学校も学校独自のリュックサックがあり、それを持って英語学校に行くことが一種のステータスであり、学校の宣伝にもなっているようです。日本の中学受験のための学習塾とすこし似ているなあと思いました。

ベトナムの場合は交通手段はバイクなので、親がリュックサックを背負った子供をバイクの後部座席に乗せて英語学校へ送り迎えをします。そうすると大きなロゴが入ったリュックサックが道路上で英語学校の宣伝になります。また英語学校は、ロゴが入ったバイク用のヘルメットや、雨期に必須であるバイク用の雨合羽をプロモーションで配布して、それも道路上での広告となっています。ベトナム独特の面白い広告の方法です。

【写真】大手英語学校のILA前の教育熱心な親たちによる送迎待ち風景。周辺ではしばしば送迎による渋滞も。

英語教育をするローカル保育園

以上のように私立学校や大手英語学校でも子供の英語教育は行われているのですが、英語教育を行うローカル保育園に子供を通わせるという選択肢もあります。

ベトナムの子育て中の親は基本的に共働きで、保育園はどこにでもあります。ある程度の大きさのマンションではグラウンドフロア(1階部分)が保育園になっていることが多いです。マンション住まいの人は朝子供と一緒にエレベーターを降り、子供を保育園に預けて仕事に行きます。

ベトナムの仕事は残業がほぼないので、5時半くらいには仕事が終わり、子供を迎えに行ってエレベーターを上がって家に着きます。昼食はもちろんのこと朝食も保育園が用意してくれますから、日本でワーキングマザーとして苦労したことを思い出すと、働く母に優しい!と思います。

ベトナム人の知人から、英語教育行っている近所の保育園は保育料が周辺の保育園の1.5倍だという話を聞きました。それでも日系幼稚園やインター校に比べるとずっと安いです。その保育園の前を通りかかった時に、たまたま英語の時間だったのでちらっと覗いてみると講師はベトナムの人で、ノートパソコンを大画面モニターにつなぎ、フォニックスの歌を流してA,A,Apple〜♪ などと皆で歌っていました。

また自作のフラッシュカードを使って基本単語を何度も発音したり(果物の例がドリアン、パッションフルーツ等だったのが印象的でした)簡単な英語で話しかけていました。これには驚き、そして新しい発見にもなりました。「子供の英語教育はネイティブ講師が必要」という自分の思い込みにも気づきましたし、身近な道具を使って工夫次第で地元の講師でも効果的な授業ができ、子供の英語力を上げることができるという希望を感じました。

サイゴンっ子は英語に抵抗が無い

そういったサイゴンの英語教育熱と、外国人が多く住む環境と、元々おおらかでフレンドリーなベトナム南部の気質とが合わさって、サイゴン(特に都心や高級住宅街の教育熱心なエリア)の子供は英語でコミュニケーションをすることに抵抗がありません。子供の頃にこのような環境で暮らしていたら、英語を話すことに対してのメンタルブロックは無くなるだろうなと思いました。誰でも手が届くところに、英語環境があると感じています。

次回は、英語でベトナム語を学んだことについてです。ベトナムにてベトナム語を学ぶ際、語順が同じである英語が意外にも鍵となりました。

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クボタカズミ

1975年神奈川県横浜市生まれ。美術大学建築学科中退、総合大学の教育学科を卒業後、大学附置外国語ラボのスタッフとして勤務。出産後に再就職に困り英検準一級と宅建を取得するも、再び大学スタッフへ。2013年に夫の仕事の都合でベトナム・ホーチミン市に居住地を移す。社内翻訳業務を経て、現在はベトナム在住の外国人に日本語を、在住日本人に英語を教える。一児の母。

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