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2015年2月頭に神奈川県庁に出向き、通訳案内士のライセンス登録をしました。それから1年間、以前の記事でご紹介したように、自分なりの試行錯誤(と感情的なアップダウン)を続けてきました。

「万全のとき」は永遠にこない こわくても、自信がなくて不安でも、チャンスがあればかならず手を挙げ、そのときに出来るベストを尽くして臨むべし

この1年間を経て確信しているのは、「チャンスがあれば必ず手を挙げ、そのときに出来るベストを尽くして臨むべし」ということです。なんといっても私はまだ2年目で、経験にもスキルにも乏しい。だからこそ、出来る仕事は積極的に引き受けて、エージェントさんの信頼を得られるよう全力でその仕事に臨んで、次につなげていかなくてはいけません。

たぶん、フリーランスの方にとっては当たり前すぎることなのでしょうけれど、常に仕事がどっさりある職場で会社員として働いた経験しかなかった私には、初めての経験でした。2月に初仕事デビューして、その春に3本のロングツアーを経験した話をすると、驚かれることさえあります。特に私と同様に経験が浅い通訳案内士仲間からは、「私にはまだまだ。。」「もっともっと勉強してからじゃないと」というような声を聞くこともあります。

でも、私はもう待てませんでした。前職の会社を退職してから5年以上経っていて、もう仕事がしたくてしたくて仕方なかったので、「これ以上待てない!早く働きたい」という気持ちがまずとても強くありました。それから、そもそも仕事してみないと、その時点で自分に何が足りないのか見えてこないんじゃないか、とも考えるようになりました。

日本全国を案内する可能性があるこの仕事では、研修や独学で常に自己研鑽を続けることは大前提です。むしろ「万全な状態」というのは不可能で、仕事をしながら、同時に勉強し続けることしかないんじゃないか、と。

もちろん、初めてのロングツアーの前にはもうものすご〜く緊張しました。すごくこわかったし、心臓がばくばくして、声も手も足も震えてしまいました。でも、いざ初日にお客さんと顔合わせをしたら、目の前にいるお客さんが日本での時間を最大限楽しめるように、出来ることをやることしかない。ツアーが始まってしまえば必死なので終わるまではもうあっという間で、実は仕事が始まるまでが1番不安で緊張するものなんだな、というのも分かってきました。

2年目の今年は、ロングツアー中心に(実は新人にロングツアーはお勧めです)

さて、そんなわけで迎えた2年目。まずは、既にアサインをもらっているロングツアーに全力を尽くして、お客さんに喜んでもらえる仕事をするのが、1番の優先順位です。ロングツアーの期間中は朝から晩までフル稼動だし、長期間家を離れなくてはいけないし、外食が続くし、とハードな面もあります。その間、家族にも負担をかけることになります。

でも、同じお客さんと寝食を共にし、長い時間を共有することで、関係性が深まり、ときにはガイドとお客さんという枠を超えて、感情の共有をすることもできる。それはもう代えがたい喜びです。私は移動自体が好きなので、新幹線に乗ったり、いろいろな都市に行けることも単純に嬉しい。

それから、新人にとっての仕事の実績作りという観点でも、1日ツアーよりロングツアーのほうが、断然有利です。売れっ子さんなら違うのでしょうが、私にとっては1日ツアーを7回アサインしてもらうより、7日のツアーを1回アサインしてもらうハードルの方がぐっと低いのです。そもそも、1日ツアーのみ引き受けるガイドさんも多いので、アサインの際の競争率もぐっと下がります。1日ツアーに比べてロングツアーの方がアサインが早いので、先の予定と収入の見込みが見えやすい、というのもありがたい。

他の利点としては、ロングツアーをこなすと度胸がつきます。何事も始めが肝心だなと痛感するのですが、私の場合は最初にいきなりロングツアーを経験したので、1日ツアーやスポットツアーに対する心理的ハードルが下がりました。「ほぼ初仕事でロングツアー」よりこわいシチュエーションは今のところないので、そういう意味でも経験しておいてよかったなと素直に思います。

長期的なキャリアプランはノープラン。仕事と育児のバランスを調整しつつ、目の前の仕事に集中して、そこからの広がりを楽しみたい

もっと長期的なキャリアプランは、今のところありません。 現時点では、ロングツアーを楽しいと思える限り、通訳案内士の仕事を中心にしていきたいなあとはぼんやり考えています。でも私は母でもあるので、仕事と育児とのバランスを常に調整していく必要があります。特に今年は育児のフェーズが変わる節目のタイミングでもあるので、この先どうなっていくのかが見えづらいというのもあります。

通訳案内士の仕事、特にロングツアーは心身共にハードかつ家族への負担が大きい面もあるので、へたれな私がどれだけ続けていけるのか(特に体力面で)、家族との生活にどれだけ影響が出るのか、というのを心配する気持ちも少しあります。

ですが、先のことを心配しすぎても仕方がないので、仕事や育児のフェーズが変わるごとに優先順位を整理しながら、目の前の仕事に集中していくつもりです。せっかくフリーランスなので、通訳案内士のキャリアに邁進しつつ、そこからの広がっていくものがあれば、楽しんでいきたいなあと思います。

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上田 裕美

大学卒業後、会社員として2社で営業職に6年間従事。退職・出産を経て、2010年夏に夫、当時10か月の息子と共に渡韓。4年2ヶ月のソウル生活を経て、2014年末に帰国。在韓中、通訳案内士(英語)および高麗大学国際大学院韓国学科(使用言語:英語)にて修士号取得。現在、新米通訳案内士・通訳・ライターとして、修行中。英語検定一級取得。 twitter: @moriyumi0721
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