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突然ですが、私の通訳案内士1年目の実績は以下のとおりでした。

  • 年間稼働日数:58日
  • 研修、トレーニングなどの受講日数:52日
    (そのうち、15日は費用自己負担で自主的に受けた研修、37日はエージェントさん主催のトレーニング)
  • 関わったエージェントさんの数:8社
  • 主な仕事の内容:数都市をまわるロングツアー、都内および横浜1日ツアー、工場見学、築地市場、相撲部屋朝稽古案内などのスポットツアーなど

仕事と研修およびトレーニングを合計しても、たったの100日ちょっと。まだまだ通訳案内士1本では会社員をしていたときの収入には到底届きませんが、学んだことは会社員時代の5年間に匹敵するぐらい多く、ものすごく密度の濃い激動の1年でした。

とはいえ、資格を取得したあと、実際にこの仕事を始めるようになるまでには、少し時間がかかりました。その時間は、会社員時代の働き方から、フリーランスの通訳案内士としての働き方に、自分の考え方や行動パターンをシフトさせていく準備期間でもありました。今回は、そのあたりの経緯について、記事にまとめたいと思います。

5年間のブランクのあと、いざ仕事を探そうとしたら、何をしていいのかわからなかった→とにかくまずは働き始めようと、すでに資格を持っていた通訳案内士の仕事をすることに

大学を卒業して5年間会社員として働いたあと、私には仕事をしていないブランク期間が5年強ありました。息子を産み、家族でソウルに引っ越し、韓国の国際大学院を卒業。その後、4年3ヶ月暮らしたソウルを離れ、日本に完全帰国したのが2014年の終わり。日本に戻ったらまた仕事をすることだけは決めていたものの、いざ仕事を探そうとなっても、一体何をしたらいいのやらさっぱりわかりませんでした。

そこで、まずはみんながどんな仕事を、どんなことを考えながらしているのか知りたいと思い、1ヶ月間、毎日友人知人に会いに行き、話を聞かせてもらいました。が、その結果、やりたいことが見えてくるどころかますますわからなくなり、さらに混乱してしまいました。これはもうこのまま悩み続けても無駄だから、とりあえず出来ることから始めようと腹をくくり、すでに資格をもっていた通訳案内士の仕事をすることに決めました。

ソウル滞在中(2011年度)せっかく苦労して資格をとったのに、すぐにその選択肢を選ぼうとしなかったのは、単純に、どうしたらいいかわからなかったからです。通訳案内士の資格を持っていることと、実際に通訳案内士の仕事をすることを、具体的にどうやって結びつけられるのか、全然見えませんでした。

当時の私が知っている仕事とは、会社員時代の仕事であり、それはイコール常に会社から与えられたやるべき仕事が目の前にどっさりある状態。お恥ずかしい話ではありますが、仕事を得るために0から能動的に動いた経験が、それまでの私にはありませんでした。

通訳案内士の仕事をすると決めてから1ヶ月後、相撲部屋朝稽古の案内で初仕事デビュー、その後3ヶ月は多くの仕事に恵まれ、順調なキャリアのスタートに

さて、とにもかくにも通訳案内士の仕事をすると決めたものの、どこから始めていいかもわからなかったので、とりあえずインターネットで情報収集することに。すると、ちょうど2014年度の通訳案内士資格試験の合格発表時期と重なったため、合格者向けに業界団体が主催する説明会が開催されることがわかり、都合が合うものから参加していくことにしました。

そこで、どうやら通訳案内士とは、以下のようなものであることがわかりました。

(1)旅行会社に勤めるのはレアケースで、ほとんどがフリーランス
(2)そのため、通訳案内士の団体に所属するなり、旅行会社に直接営業するなりして、自ら仕事をとっていくもの

私は会社員時代営業をしており、飛び込み営業の経験もがっつりあります。従っていざとなれば旅行会社周りもやるしかないなとは思ったものの、まずは(心理的ハードルがぐっと低い)通訳案内士の団体への入会を選びました。

そうこうしているうちに、インバウンド業界で仕事をしている知人から連絡をもらい、相撲部屋朝稽古の案内という仕事で、初デビューを果たすことに。この仕事をすると決めて動き出してから、ちょうど1ヶ月くらい後のことです。

そこからは、インバウンド業界自体が急激に拡大していること、仕事デビューと業界のピークシーズン(3月下旬〜4月)が重なったことから、幸運にもいくつもの仕事をする機会をもらい、順調なスタートをきることができました。その後メインの仕事とすることにした、ロングツアーのスルーガイドの楽しさも、このときに知りました。

ピークシーズンが過ぎるとともにぱったりと仕事がなくなるも、アップダウンを繰り返しながら、地道に動き続け、あっという間に過ぎた1年目

しかし、いうまでもなく、最初の3ヶ月の仕事の充実っぷりは、単にラッキーだっただけ。当然のことではありますが、シーズンが落ち着くとぱったり仕事がなくなりました。あまりに順調なデビューだった反動もあったのか、それはもうものすごく落ち込みました。大げさですが、周りのひとたちには皆するべきことがあって忙しくしているのに、自分ばかり何もなくて、世の中からぽつんと置いていかれたように感じたりもしていました。

ですが、冷静になって考えてみたら、仕事を始めたばかりで経験もスキルもない新人に好んで仕事をくれる人がいないのも、フリーランスであれば時期によって仕事の波があるのも、当たり前。気持ちのアップダウンを繰り返しながらも、動き続けることだけはやめないように心がけました。

現状把握を正確にすべく、インターネットで情報収集をして、所属団体の研修などに参加して人の輪を広げ、そこで知り合った人に会って話を聞き、インバウンド業界、仕事、働き方についての知識を増やしていきました。

それと同時に、所属団体の仕事募集の案件を見つけたらとにかく手を挙げ、オンライン旅行サービスを提供するウェブサイトに登録し、インバウンド系の情報ウェブサイトで仕事の案件を探して応募し、仕事を増やす機会自体を広げていくようにしました。

上記の内容は、通訳案内士として現役で仕事をされている方、またはフリーランスの方にとってはごくごく当たり前のことだと思います。でも、インバウンド業界もフリーランスも初めてだった私には、まさに暗中模索の日々。

そんなこんなで、通訳案内士初年度の1年間はあっという間に過ぎ去りました。次回は、1年目の仕事内容について、もう少し具体的にご紹介していきたいと思います。

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上田 裕美

大学卒業後、会社員として2社で営業職に6年間従事。退職・出産を経て、2010年夏に夫、当時10か月の息子と共に渡韓。4年2ヶ月のソウル生活を経て、2014年末に帰国。在韓中、通訳案内士(英語)および高麗大学国際大学院韓国学科(使用言語:英語)にて修士号取得。現在、新米通訳案内士・通訳・ライターとして、修行中。英語検定一級取得。 twitter: @moriyumi0721
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