経営や運営に関わる方のみならず、色々な先生や生徒からも話を聞くなかで、「フィリピン留学」を通してちゃんと英語を伸ばしたいと感じているなら、確認すべき点があると感じましたので、以下にまとめました。

日本語テキストは使えるかどうか(学校側が使用しているか)

初心者向けから上級者向けまで、日本語のテキストは本当に良くできています。これを使わない手はありません。英語資料のみの学校に留学する場合は、よほど土台の英語力がある場合のみにしたほうがいいと思います。

英語学習に関して理解している経営者が少ないからか、まだ多くの学校ではこれを実践していません。しかし絶対に日本語テキストを使うべきだと感じています。

生徒は一日何時間自習をしているか

自習の習慣が無い学校から自習を生徒に勧めている学校に移った生徒は、「自習時間を作って予習復習をしたほうが、力が伸びる」といった感想を述べていたようですが、これは極めて当然のことです。

理由は、「英語力」の構造にあります。英語をものすごくザックリ3種類にわけると、

  1. 自分で使いこなせる表現(書く・話すで問題なく使いこなせる表現)
  2. 相手が使っても分かる表現(読む、聞く上で理解できる表現)
  3. 自分が知らない表現

と3層になります。一般的に、比較的(2)の層の単語が厚く、(1)の層が少ないといわれています。このレベルを一つ上げる為には、暗記や音読をしたり、本や映画などを通して何回も同じ表現と出会う事が必要になります

私は教員時代、生徒には、「6回忘れて、20回出会えば使いこなせるようになるから、それまで我慢が必要」と言っていました。

特に初級(中学レベルの基礎力がおぼつかない人)は、1日8時間も会話のレッスンをしてもあまり意味がありません。授業前にインプットをして、授業で自分の口で使って、フィードバックをもらって改善をして、といったサイクルが必要です。

それをせずに次から次へと「知らない」表現に出会っても、大きな穴の開いたバケツに水を入れるようなものです。マレーシアに住んでいた際に、人材派遣会社の人がフィリピンで英語留学をした候補者の話をしてくれました。

その方は3ヶ月フィリピンで勉強して英語ができるようになった、と自信満々で面接に望んだようですが、派遣先からは英語面接が駄目で不採用だった、とのことでした。

英語学校で「おもてなし」を受ける側と英語でビジネスをする側の間には、大きなギャップがあり、そこを飛び越える必要があります。英語力アップで結果を出したいなら、自習は必須です

日本人スタッフの人数(インターンの数)、生徒比率

単純に考えて、一人の生徒あたりに対する日本人スタッフや先生の数が多いほうがサポートが手厚いです。

ちょっとした授業や学校に対する不満、「こうすればよくなるのに」という声を拾うかどうかは、経営方針も関係してきますが単純に運営側が生徒と十分にコミュニケーションを取れているか、による部分が大きいでしょう。

またインターンを運営側に多く入れる学校もありますが、専属で無く絶えず入れ替わる為、学校や行政手続きなどの細かいことに関するノウハウがインターンには蓄積されず、結局は頼りにならない、という話をしてくれた生徒もいました。

学校側のサービスに高い水準を求めるなら、運営とのコミュニケーションが取りやすい所をメリットと考える事もできそうです

講師の採用基準を聞く

フィリピン人講師も本当にピンキリなので、良い人を選んでいる学校に行ったほうがいいでしょう(フィリピン人講師についてまとめた記事も是非ご参考にして下さい)。

特に講師の数が多い学校ほど、クオリティを維持するのが大変です。もちろん採用で何人受けて何人落とすか、といった話はセンシティブなので教えてくれない可能性はかなりあります。

しかし一度聞いてみて、もし教えてくれて、採用基準がしっかりしている(または公開している)なら、そのスクールへの信頼は更に上がるのではないでしょうか。

リピーターはいるか

一度フィリピン留学をした人が、再度英語力を伸ばしたいという目標をもったとします。その人が二回目のフィリピン留学で敢えて同じ学校を選ぶなら、それはその学校でやれば成果が出ると分かっているからであるはずです。

そんな人がたくさんいるなら、その学校はちゃんとしているのではないでしょうか。もちろん一回フィリピン留学をして「楽しかったからok」という感じの人もいます。

しかし、そういう人が二度目に同じ学校に行かない場合、その学校では英語力が伸びなかったのか、なにか問題があったのかもしれません。

生徒の留学前後での英語力の伸びを比較して随時公開している

「昔はよかったけど、今はクオリティが落ちた」というのはどのサービスにもよくある話です。

過去の実績で伸びている人がいて、今いる生徒も英語力を伸ばしているのであれば、より信頼できるのではないでしょうか。

ご飯は美味しいか

フィリピンのご飯はマズイという話を実際に行く前にも聞きましたが、正直な所ある程度合意します。野菜が少ないですし、毎日食べることを考えると、味付けも単調に感じます。

しかし、スクールの中にはご飯にも気を使っているところがあります。フィリピンに5日ほど滞在していましたが、一番美味しかったのはクロスロードを訪問させていただいた際に出たご飯でした。

日本人からしてみれば、学校での毎日の食事が普通のフィリピン食だと、「ご飯をおいしくして欲しい」という「要望」が生徒から出るのは至極当然の結果であるといえるでしょう。

この要望を無視しても学校はまわりますし、叶えようと企業努力をする事もできます。自社サービスに問題があると認識をするのか、問題が無いと突っぱねるのか。

問題があると認識するなら、改善するのか手間を惜しんで放置するのか。企業の経営方針がとても良く出る事柄だと思います。

次回はまとめです。フィリピンでの経験から、フィリピン留学をどのように活かすことができるかをまとめたいと思います。