英語の発音は重要か

みなさんは発音の練習にどれくらいの時間をかけていますか?もしくは日本で子どもの頃に日本語の発音を習う機会はありましたか?

小さい子どもは大人と比べると「舌ったらず」の印象を受けます。それは子どもの舌やのどの発達の未完成さによるものであり、その後の発達によって通常は正確な発音が可能となります。

しかし一方で小学校に入る頃に舌やのどが十分に発達しても、「さかな」が「たかな」になったり、「からす」が「たらす」になる子どもがいます。

多くは就学前検診などで指摘されます。その後両親の判断によりますが、病院や保健所などから言語聴覚士を紹介されて、発音の訓練を受けることになります。

これらの子どもたちの多くは音の違いを上手く聞き分けることができていません。そこで場合によっては文字を使いながら音の違いを聞き分ける練習をしたり、舌を動かす練習をするのです。

しかし日本では、このような母国語の発音指導は明らかに発音が間違っている子どもが対象になります。

日本語の特徴、英語との違い

鼻濁音の「が」や助詞の「は」など例外はいくつかありますが、日本語は1つの文字に対しての発音方法はほぼ1つに限定されています。

少しくらい発音が違うことがあっても、聞き間違いというほど致命的にはならないという言語的な特徴による事情もあります。もちろん方言についての考慮も必要です。

一方で英語の発音は多様です。ご存知のようにaの発音一つにとっても様々な音が当てられています。

ASHAというアメリカの言語聴覚士の職能団体によれば8歳までに概ねその発音体系は習得されるとのことです。

日本語では5 - 6歳とされています。この2 - 3歳の差は日本人が使わない発音方法があることによる差といえるかもしれません。

アメリカでも発音の指導は行われている

アメリカでも同様に発音の誤りがある子どもに対して言語聴覚士による介入が熱心になされています。

よくある間違いとしてはrabbitを/wabbit/、cupを/tup/というような例があげられています。日本で起こっている誤り方と似ています。

これについては日本と同様の指導がなされています。さらに英語は一般的に「訛り」と言われる地域や人種によるアクセントや発音の違いがあります。

この違いは「特徴」であり、誤りではないことも認識しなくてはいけません。

聞く能力と話す能力

この子どもの発音や聞く能力の発達は言語獲得過程のなかの一つであり、語学学習者にも当てはまるのではないでしょうか。

母国語の日本語では今まで問題にならなかった「聞き分ける能力」も日本語以上に音の数が多くなる英語では、日本人にとって難しくなるのはあたりまえです。

この聞く能力と話す能力は相互依存関係にあるといってもいいでしょう。また正しく発音することで、相手にもスムースに理解されるのは容易に想像がつくでしょう。

日本に住んでいる日本人にとって、英語を耳にする機会も話す機会も圧倒的に少なく、相手の話す内容に注意はしていても、発音に意識を向けることができる人は多くないと思います。

典型的なものとしてはアメリカ英語とイギリス英語がありますが、多くの日常的に英語を話す人々は「〜訛りの英語(代表的なものとしては南部訛りがありますが、他に“シングリッシュ”のように母国語の影響を受けている英語)」を聞き分けています。

どのような英語を自分は目指したいのかに合わせて、多くの聴く時間を持ち、それを真似することが、実は英語をより自然に口からでやすくするコツなのかもしれません。