社会人の留学

ここでは29歳で会社を辞め語学留学した著者が、社会人の方が語学留学するにあたり、必要な情報を数回にわたり解説していきます。

「英語を話せるようになること」と、「仕事のキャリアを1年程度中断し語学留学すること」、これからの長い人生の中におけるこの2つのメリットとデメリットを比較し、留学を決断できる助けになれればと思います。

留学っていうけど、留学にはどんな種類があるの?

日本人が一番多く行っているものは「英語そのもの」を学ぶ語学学校留学ですが、「留学」には様々な種類があります。

そこで、留学の種類と、どんな人がどういう留学に向いているのかを再整理してみましょう。

(1)「英語そのものを勉強する」留学か、「専門知識」を勉強するための留学か

「英語」そのものを勉強するための留学はいわゆる「語学留学」です。そしてもう1つの「専門知識」を勉強する留学は「大学(大学院)留学」になります。

ハーバード大学に行きました!など雑誌などでは華々しく特集されている人は、もともと英語が話せる人が、「専門知識」を勉強しに行った「留学」であり、大多数の人の「英語」を学びに行く留学とは、そもそも種類が異なるものです。

世間一般では「語学留学」が格下で、「大学(大学院)留学」が格上で「エライ」というようなイメージで語られることが多いです。

しかし、そもそも目的が全く異なるものなので、この2つを「留学」という一括りにしてしまうことは大きな誤りと思われます。

日本では20代以降の社会人の方が「留学」をするというと、何故か「大学(大学院)留学」であるべきであり、「語学留学」で英語だけを勉強しに行くことは「どうもイケていない」認識を持たれてしまっています。

「目的」が根本的に異なるものに上下の序列をつけて良い・悪いということは変な話です。

「語学留学」で英語だけ勉強しに行くことは年齢に関わらず、とても良い経験になり、また、その後の人生にとても有用だと思います。

(2)大学(大学院)留学

欧米の大学では「すべて英語で」専門書を読み、授業で議論し、そして論文を書かねばなりません。

つまり「もともと留学する前から英語ができる」人が、「英語」以外のプラスαの付加価値を求めて留学すること、それが「大学(大学院)留学」になります。

また、費用も恐ろしく高額です。エリートビジネスパーソンが持つという経営大学院(MBA)の取得には1,000万円かかると言われます。

実際の所、MBA取得者の大部分は大企業の社員が社費留学で行ったことで占められています。

社員のまま2年間留学し、留学費用も出してもらえ、さらに「社員」の身分のままなのでお給料相当の手当てまでもらえるのです。

こういう非常に「美味しい福利厚生」であるため、大企業でもともと英語ができる優秀な人が競い合い、その中で選抜を勝ち抜いた「ごく一部の人」が「ハーバードでMBAをとり、人生が広がりました!」とメディアに登場しているわけです。

こういう人が目立つため、「留学」の敷居が高く感じられ、大多数の人が行く「語学留学」が格下のようにみられることは困ったことだと思います。

社会人の語学留学2

(3)語学学校留学

語学留学はその名の通り、「英語」そのものを学びに行くところです。日本では時間がたくさんある学生が行く機会が多いので、学生向けというイメージが持たれていますが、実際には世界中から多様な人が来ています。

留学者の年齢層は、10代後半~20代前半で7割程度、その他は英語が必要な大人で、30代や40代の人です。全体での男女比は半々という感じですが、日本からの留学生は女性が多くなっています。

費用は、国や、授業時間、滞在期間により非常に大きく変わりますが、アメリカ・イギリスでは半年で100~150万程度が目安です。フィリピンなどでは格安な語学留学も可能です。

(4)専門学校留学

次回以降で詳しく解説しますが、語学学校の授業は午前中や午後だけのため自由時間が多すぎ、社会人にとっては貴重な時間とお金を使って来ているので、「もっと勉強したい!」「早くちゃんと英語が使えるようになりたい!」という気持ちになります。

大学留学するには英語力が無いし高度な専門知識を身に付けたいわけじゃない、でも語学学校よりももう少し英語を勉強したい、そういう方には専門学校留学というものもあります。

ここでいう「専門学校」とは、「日本の専門学校」のようなものではありません。

海外では転職が当たり前で、職業訓練がとても充実しており、各種職業団体が必要となる知識を学べるカリキュラムをパッケージにして様々な形で提供しています。

ビジネスの分野では、イギリスではCMI(英国公認経営協会)という団体がビジネスに必要な知識をいろいろな学習コースにパッケージしており、一番レベルの高いコースだと大学院のMBAコースでの授業カリキュラムに使われていたりします。

様々な学校、職業訓練校がこのパッケージされたカリキュラムを受講生に提供しており、そして語学学校の中にはこのパッケージの初級コースを「専門コース」として提供しているものがあります。

語学学校の授業内容は、日本の英語学校と同じく、日常会話の練習や文法の練習となるため、もう少し高度な内容を題材に英語を勉強したいというニーズにはピッタリです。

コースによっては相応の勉強が求められますが、みっちりと1日英語に浸かれる生活を送れます。

また、帰国後の就職活動時に、語学プラスαとして大きくアピールできる点が何より社会人向けと言えるでしょう。

私も語学学校留学に加えて、初級ビジネスマネジメントの専門コースを受講しました。英語力はそれなりに必要となるので、数か月語学学校に留学し、その後参加するのがよいでしょう。

私の留学した学校は以下になります。ビジネス以外にも看護の専門コースが有名です。

Bournemouth Business School International

専門コースのある学校はこれ以外にも多数存在しています。次回は語学学校の実情をお伝えしたいと思います。