多くの日本人にとって英語をある程度のレベルまで使いこなせるようになるまでには、それ相応の学習時間が必須であり、数年単位での継続した学習を続けていく必要があります。

そのためには心身ともにストレスや疲れを溜めないようにする日々の健康管理もまた重要です。

今回はより効果的に英語学習を継続していくために役立つ、私生活でのヒントを脳や体のちょっとした仕組みを交えてご紹介します。

睡眠は削らず、ぐっすり寝る事で脳が日々のストレスを緩和

脳内には海馬と言われる記憶の取捨選択を司る部分があります。

海馬には主に二つの働きがあり、短期記憶の中から自分にとって必要な記憶を長期の記憶を司る脳内の別の部分に引き継ぐ働きと、不必要な記憶や生きていくうえで妨げとなるような記憶を処理して大脳の奥深くにしまい込む働きがあります。

ですからしっかりと睡眠をとることは、学習した記憶の定着だけではなくて、日々のストレスの緩和にも役立ちます。

また最近の成長期の子供を対象とした調査では、睡眠時間と海馬の大きさに相関関係があるという事が明らかになっています。

2012年に5才〜18才までの健康な子供290人(男女比半々)を対象に行われた調査では、睡眠を1日5〜6時間とっている子供よりも、9〜10時間位とっている子供のほうが総体的に見て左右の海馬が1割程度大きかったという結果が出ています。

この結果を見ても、試験前の追い込み時などには多少やむを得ない事もあるかもしれませんが、継続して学習を続けていくうえでは睡眠をしっかりと取ることは、勉強の効率性や心身の健康の面から言っても大事といえます。

朝起きたら陽の光を浴びる

夜ぐっすり寝たら、朝はなるべく早く起きるのが理想的です。冬の季節は寒いですが晴れていたら一度外に出て新鮮な空気を吸いましょう。朝外に出て陽の光を浴びることで体内時計をリセットする事ができます。

またその時に脳内で分泌されるセロトニンという伝達物質は心のバランスを保ち安らぎをあたえてくれるホルモンであると言われています。

さらに夜にはセロトニンがメラトニンという睡眠を助けるホルモンへと変化するので、その日の夜にはまたぐっすりと眠る事が出来ます。

心地よい生活のリズムが出来てきたら、夜は部屋のカーテンを空けて床に就く事もお薦めです。次の朝、目覚まし時計に頼らずに、自然の光を使って目を覚ます事で穏や かな気持ちで一日をスタートすることが出来ます。

勉強はなるべく正しい姿勢で

充分な睡眠をとり、一日の快適なリズムができてきたら、毎日学習をしている時間の自分の姿勢にも、意識を向けて見ると良いでしょう。

私も日頃気をつけていますが、猫背や前のめりなど骨盤が傾向している体勢での長時間の学習は腰に負担をかけやすく体も疲れやすくなり、学習にも集中しづらくなるので、お薦めできません。こういった状態ではすぐに勉強から脱線したくなるものです。

骨盤が真っ直ぐに立った状態で背筋の伸びた無理のない正しい姿勢を作るには、机と椅子を使って学習している方なら、椅子にしっかりと深く座り背中を背もたれに軽く当てて、机と体との距離は大体こぶし一つ分位にするのが理想的です。

また足をしっかりと床に置くことができて、肘が机の上に無理なく乗せられるような状態に椅子の高さを調整する事も効果的でしょう。

最初は慣れないかもしれませんが、徐々に必要な筋肉がついて良い姿勢を保つ事ができるようになります。

まとめ

規則的で質の良い睡眠をしっかりととる事で心のストレスや体の疲れを溜めないようにすることが、学習を継続していくうえでとても良い助けとなります。

夜はぐっすりと眠って朝早く起きて陽射しを全身に浴びると、体の機能に一日のリズムが生まれます。

机に向かう時には姿勢を整えて集中して学習を行い、脱線ではなくしっかりとした休息を取りながら日々の勉強を継続していく。それが英語習得への近道ではないでしょうか。