実践的学習法

【コラム】英語のテストはあなたの目的に合ったものを その2

〜ビジネス向け: 目標設定のために試験をどう使う?〜

TOEICはその時点での実力を確認するためのマイルストーンの一つ

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とはいえTOEIC(R)は現在のところ日本国内でもっともポピュラーな英語の試験で、かつ頻繁に開催されているので気軽に受検できるという大きなメリットがありますよね。

また、英検のように合否がでるわけではなく偏差値のようにスコアが出るので、いま現在の自分の実力を偏差値として測っておく、というマイルストーンには有効です。

それがわかれば次の目標も立てやすいですしね。

中学校英語レベルで止まっている、が、ビジネスや就職・転職に活かしたいのでTOEIC(R)は受験したい、という方については、まずはTOEIC公式問題集をといてみて自分の実力を一回測ったら、段階的に目標を設定していくとよいでしょう。

目安としては、3か月で100程度のスコアアップならば社会人でも可能、と考えてOKです。初めて受ける方やTOEIC対策をしたことがない方は、対策をすればもっとスコアアップ可能です。

英検はビジネス向けではないが実力は証明できる

英検は文章を書く、話す力も測りますから1級取得者なら会話もできて文章も書けると判断されます。

ですが英検で書くのは短いエッセーなので、即ビジネスに通用する英語というわけではありません。

実務に必要なレターやEmailのやりとりなど、ビジネス上の適切なコミュニケーション力については証明できないということです。

しかしそもそも英検1級保持者なら基本的な英文の構成を身につけていて作文ができるわけですから、それらの実務スキルを身につけるのはそう難しいことではないはず。なので、実務の中で会得していくことで十分対応できると考えられます。

ただ、英検1級はTOEIC高得点者でもなかなか受からない、語彙の難易度が高く実務レベルからすこし離れている、という面があります。

そのためビジネスや就・転職に活かしたい人が試験の最終目標を設定する場合には、いま社会人か大学3年生以上であればTOEICなら860、いま高校生~大学2年生であれば英検なら準1級、でよいと思います。

英語スペシャリスト向け: 何をめざすかによって受ける試験は違う

英語スペシャリストを目指す方については何を目指すかによって受けるべき試験も異なってきます。

通訳者ならTOEIC900以上か英検1級以上、翻訳者や英語教師(※)を目指す人ならTOEICではなく英検1級を、そしてすべての英語スペシャリストの方には次に紹介する「通訳案内士資格」を目指すのがよいと思います。

※初~中級レベルまでの英語を教えるのであれば英検1級は必要ないのですが、現状の日本の教育システムでは英語教師を育てる適切な土壌がないので、ここではある程度「読んで話せる」レベルとして英検1級をあげています。

語学に関する唯一の国家資格である「通訳案内士資格」(通訳ガイド資格)は、昔に比べると評価基準がゆるくなったとはいえ、英検1級以上の英語力に加え日本文化や歴史、地理、社会のことを外国人に伝えられる、という点で、他の「英語力だけを測る」試験とは一線を画すものです。

その試験のための学習の過程そのものが、教養ある国際人を育てる要素も含んでいる、と思われます。

また、英語スペシャリストへのあこがれはあるけれど・・・まだそこまでの実力がまったくない、という方については、ビジネス向けの試験の部分でも述べたように段階的に試験を活用していくのがベターです。

いま英検2級程度のレベルなら準1級を、準1級なら1級をめざす、ということですね。志が高いのであれば、実力はまだまだだけれど、いきなり英検1級と通訳ガイドを目指す、というのももちろんアリです。ただし、その場合はいうまでもなく相当の覚悟が必要です。

英語スペシャリストにとって資格は仕事をしていくための入口でしかありません。
ここで私が紹介したものは、プロとして持っていて当たり前のものであり、実際にはその後仕事をしていきながら出会う英語のほうがずっと奥が深く、幅も広いものです。

プロであれば一生英語は学び続け、そして磨き続けていくもの・・・資格はその扉を開けるための一つのステップに過ぎないということを、心に留めておいてください。

最後に・・・

ここでは日本国内でもっともポピュラーなTOEICと英検、そして英語スペシャリストを目指す方向けに「通訳案内士資格」についてお話しました。

ですが私が個人的に中級レベルまでの英語学習者向けのテストとして皆さんに一番お勧めしたいのは、実はIELTSです。まだまだIELTSは日本では普及しているとは言えませんが・・・これについては別のコラムで。

Onoha721

米国三大メガバンクの一つにて人事採用、外資メガファーマの日本法人にて採用含む人事業務、研究機関勤務、メディカル業界にて医療翻訳などを経て、現在は某金融機関のグローバル事業戦略チームにて勤務。
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