実践的学習法

【Roots】「語源」を知ってStep-up

~接頭辞・語根・接尾辞を知れば語彙は格段に増える~

「語源を知ってボキャブラリーを増やす」

語彙の最終回に紹介するのは、「語源を知ってボキャブラリーを増やす」という方法です。

もう少し詳しく言うと、「語源を知って、接頭辞、語根、接尾辞からそのことばの意味を理解する」という「語源学習法」です。

これまで基本の語彙については、

  1. まず基礎の語彙はひたすら「できるだけ実際のフレーズや文章を、目と耳と口を使って、繰り返し、繰り返しインプットとアウトプットをすることで身につける」
  2. 前置詞、基本動詞、句動詞は「イメージをつかんで実際の例文を見て身につける」

ということをお伝えしてきました。

ごく基本レベルの語彙に関しては、実際のところ、英語のリズムを身につけるという大事な要素も考え合わせると、1はもう外国語という未知のものを身につける上では王道、かつ避けて通れない方法ともいえます。

ですが、基礎の語彙を身につけたら、そこから先については、今回紹介する「語源」を知ることで加速度的に語彙を増やしていくことができるようになります。

日常会話では、中学校で習う900語程度をここまで紹介してきたように句動詞までしっかりと身につけられたなら、ほとんど事足ります。ですからここまでの語彙の学習は血となり肉となるまで何度も繰り返しトレーニングすることが必須。

ですが、そこから一歩先に進むとなると・・・まず「読む」、「聞く」、というインプットの作業のときに、少し難しいと感じられる語彙がたくさん出てきます。このときに、今回紹介する「語源を知る」という学習法が威力を発揮することになります。

たとえば日本語も、漢字を知らなくてもひらがなとカタカナだけでも、口で話すだけなら、日本語の会話はできますよね?ですが、「読む」とか、「ニュースをきく」となるとどうしても漢字の知識が必要になります。

そしてその漢字も、ごく基本の1000字程度は必須ですが、そこから先は「へん」「つくり」といった部首や、基本の漢字の組み合わせでできているものが多い。たとえば「鰤」という漢字を知らなくても、何かの魚だろう、というのは日本人なら誰でも見ただけで想像できますね。(「ぶり」です。)

「基本語彙」とは異なるグループのことば

日本語には日本語の歴史があり、もともと文字を持たなかった日本人は中国から「漢字」という文字を持ち込んでそれを仮名文字に変えてひらがなを作り、漢字も漢字として新しい語彙とともに取り入れて利用してきました。

英語にも長い歴史があり、大きく言うと3回の波を経て現在の形になっています。

英語は「西ゲルマン語」という言語に属するのですが、これはドイツ語やオランダ語の仲間です。中学校で習う基本の語彙については、ほとんどがこれに属します。ところが・・・

ここから先の、中級レベル以上の語彙については、実はその多くが「ラテン語系」の言語に属します。「ラテン語系」というのは、スペイン語やフランス語の仲間、ということです。(ギリシャ語に属する語彙も1割ほどあります。)

たとえば前のページで出てきた”postpone”―これはラテン語です。
一方の、これと同じ意味を表す “put off” の ”put” と ”off” ―ごく基本の語彙ですが―これはどちらも古期英語という、中世のドイツ語を起源としたことばでこれがゲルマン語属と呼ばれるもの。

・・・このように中学校で習う基本の語彙はほとんどが古期英語、つまりゲルマン語族ですが、中級以上の語彙のほとんどがラテン語属なのです。

これは日本人が、もともと日本語になかった新しい語彙を、中国から漢字を取り入れることでどんどん増やして言った経緯と似たところがあります。

英語の「語源を知る」学習法は、ですからよく漢字の覚え方に例えられます。基本の漢字と「へん」や「つくり」を覚えて、そこから応用してたくさんの漢字を覚えることができる・・・これと似たようなことが、英語の「語源」学習法です。

「語源」学習法のツール

語源を知って単語を身につけるには、まずはアルクのこちらのサイトを見てみるとよいと思います。

第一話”animation”の話を読んでみてください。この言葉がラテン語の"animare"(物に生気[魂]を与えること)に起源をもつこと、"animare" は animus(魂)とつながっていて、animal も同じ語源であること、などがわかりますね。

また、第37話以降では、辞書を使った語源の学習法についても触れていますので、ぜひ目を通してみてください。

なお、英語の歴史については第53話に詳しく紹介されています。興味のある人はそちらもどうぞ。

本については、下記がオススメです。語源の学習は一見遠回りのように感じられるかもしれませんが、実はこれが中級以上の語彙を身につける上では王道かつ一番の近道だと断言できます。

4261073110 MINI-MAX英単語倍増計画<パワーアップ版>
薄井明

この本は基本的に「接頭辞+語根」を知って語彙を覚えることを目的として書かれています。

英単語が確実に、スムースに、そして楽しく覚えられるように随所に工夫が施されていて、イメージがわかるようなイラストがときどき入っていたり、コラムや関連語が詳しく載っていたり、「適切な」例文でチェックできるようになっていたり・・・と至れり尽くせり。

この本は基本レベルの語彙も含まれていて、中級に手がかかったばかりの人にもオススメです。

少し難しい単語も入っていますが、「語源」を知ると確実に英語の語彙が体に染み込んできます。辞書と併用してこの本を活用していくと、英語の世界がもっと楽しくなっていくはず。

「語源」を知ることで、「読む」、「聞く」、というインプットの作業のときに、初めて見たり聞いたりする語彙だったとしても、文脈とこの「語源」からだいたいその単語の意味を推測することができるようになります。

そして文章が高度になって単語が難しくなればなるほど、この語源を知っておくことで、ほとんどといっていいほどその単語の意味を推測することができるのです。

中級以上の語彙力UPに欠かせないもの・・・それは「語源」を知ること!ステップアップのためにぜひ身につけていってくださいね。

Onoha721

米国三大メガバンクの一つにて人事採用、外資メガファーマの日本法人にて採用含む人事業務、研究機関勤務、メディカル業界にて医療翻訳などを経て、現在は某金融機関のグローバル事業戦略チームにて勤務。
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