実践的学習法

【コラム】記憶力が弱くても外国語は習得できる その1

「忘却曲線」と学習効果

私は自他ともに認める記憶力のない人間です。

どれくらいひどいかというと、ホームパーティーで食べたケーキの写真を見て「このケーキすっごくおいしそう!こんなのいつ食べたっけ???」と言ったところ・・・

「あなたが作ったんじゃない?!忘れたの???」・・・と言われるくらい、ひどい。けれど自分は「ええー?食べた覚えもないのに・・・」となんだか腑に落ちない。

一度見た映画も(映画館で見たのにもかかわらず)覚えていない、二度楽しめる、最後のテロップが流れるころに「あれ?この映画見たような・・・?デジャブ??」と思ってしまう。

そのことを友人に伝えると、「エッ?!あれ一緒に見に行ったのに忘れたってこと?ウソでしょ??」・・・その友人と一緒に見に行ったことすら忘れている、、、

そんな状態なので、子供のころから同じ漫画が二冊あったり、同じCDが二つあったり、ということはしょっちゅう。。

忘却曲線というものがあります。これは人間の記憶力(意味のない文字の羅列)をテストして線グラフで表したもの。
通常は、覚えた直後から急激に忘れていくものの、忘れるスピードがだんだん緩やかになっていく、のが人間の記憶力。

ですから、学習のためにはこの忘却曲線にしたがって、一度覚えたことをその日のうちにもう一度復習する、翌日もまた復習する、1週間後、1か月後、と繰り返すことでほぼ頭の中に定着していく・・・というようなことが言われます。

ですが私の場合、スパイク状に急激に覚えて急激にすっかり忘れる、という曲線(というよりほぼ直線)を描きました。覚えるのも一瞬だが、忘れるのもそれと同じほどのスピードで一瞬でキレイさっぱり忘れるのです。
このため、まったく記憶に残らない。これが先天的なものなのかどうかはわかりませんが、とにかく記憶するという点で障壁があることは事実です。これは学習能力とも大いに関わってきます。

英語の文字=アルファベット、というのは、漢字と違ってその一つ一つの文字そのものには何の意味もないもの。したがって初めて、「ある英単語」を見る外国人にとっては、忘却曲線のテストで出る「意味のない文字の羅列」と同じです。

私の中学校の英語の先生は、ノートに毎日新しい英単語を「つづりの倍の数だけ書く」ことを宿題として課していました。girlなら4文字なのでその倍の8回書く、ということですね。

ですが何回書いても私は次の日にはきれいさっぱり忘れる・・・書くだけの労力がバカらしくなって宿題も放棄しました。

私が英語の語彙力UPに丸暗記をお勧めしないのは、自分ができないから、という大きな理由があります。自分ができないものを人に勧めることはできません。

ですが、できるのであれば丸暗記も大いにしていくといいと思います。ただしそのときに、とくに初~中級者が一つ気を付けなければならないことがあります。それは・・・

コロケーション(自然な語と語のつながり)または例文が豊富で複数のフレーズを使ってその語彙を身につけられるような教材を選ぶこと。
=>一単語につき一つの例文(またはフレーズ)しかない、というものはNG

・・・ということです。ここを気を付けないと応用のきかない、使えない英語を身につけてしまう結果になるので、十分に注意が必要。

特に基本レベルの、重要な単語ほど、意味が幅広く、それだけ表現の幅も広いもの。

そしてそういった幅広い表現のできる基本の語彙を体にしみこませることが、「英語脳」になるための重要なステップでもあるのです。(語彙の4回目で詳しくお話しています。)

「1か月で英語」アプリ・・・記憶との関係

語彙の2回目で紹介したアプリ「1か月で英語」はごく基礎レベルの語彙力をトレーニングするためのものでした。

ちなみにこのアプリにはフランス語とスペイン語版もあり、まったく同じ写真を使ってまったく同じレッスンを進めていきます。

私はスペイン語を身につけたいと前から思っているのですが、実際には3つしかフレーズを知りません。英語でいうとHelloとPlease、My name is~の三つだけ。

このアプリを使えば日常生活に必要な語彙―名詞、形容詞、動詞、に加えて副詞や前置詞にいたるまで―かなり覚えられると思い、英語版とともに購入してみました。

このアプリには日本語訳が一切ないので、英語版と照らし合わせて確認しないと、写真を見ただけでは意味のわからない単語もときどき出てくるため、です。

NHKテレビのスペイン語講座をなんとなくだらだらとみていたときにはさっぱり覚えられませんでしたが、アプリならスキマ時間を使っていつでも見ることができます。

しかもこのアプリはすぐにテスト画面に進む、書き取りもしなければならない、と、嫌でも学習者に覚えさせる仕組みになっています。一瞬でテスト画面に進むので一瞬で忘れる私のタイプにも有効。

「1か月でスペイン語」というアプリですが、正直、私のようなまったくの初心者で記憶力の弱い人間には1か月では覚えられる内容ではありません。毎日まじめにやってもおそらく3か月以上はかかると思います。

ですが、私ほどひどい記憶力の人間でも、少なくとも三日ほど空き時間に10分程度繰り返し見ただけで、もう新しい語彙を10個くらいは覚えています。それも、フレーズとともに。

中学生のころに毎日英単語をノートに何回も書かされていたころはさっぱり覚えなかったのに、スペイン語も英語と同じように意味のない文字の羅列なのに・・・

なぜこのアプリではそんなに覚えられるのでしょうか・・・?

(つづく)

Onoha721

米国三大メガバンクの一つにて人事採用、外資メガファーマの日本法人にて採用含む人事業務、研究機関勤務、メディカル業界にて医療翻訳などを経て、現在は某金融機関のグローバル事業戦略チームにて勤務。
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